今回の話は、読む人によっては少し下ネタに感じるかもしれません(注意)
私の母親の生まれ育った島は、沖縄では最も神聖な神の島であり、
パワースポットとしても有名です。
そこで実際に起き、語り継がれる祟り(たたり)に基づく話です。
その島には、神人(カミンチュー)と呼ばれる巫女、神官のような役割の人々がいます。
そのカミンチュー(神人)は、チベットの高僧のように、
生まれ変わりであり、決まった役割を背負ったカミンチューが生まれると、
代々受け継がれてきた神行事を担う為、修行を行います。
仲間由紀恵のトリックで出てきた、
「カミヌーリ」という架空のシャーマンのモデルです。
(あれは宮古島あたりのイメージで描かれていた印象ですが…)
人を呪い殺すとかいうのは、ドラマの作り話だと思います。
私の母の出身島のカミンチュー(神人)は、琉球時代には、
国の安泰を祈ったり、島の男達の海での航海安全祈願や、五穀豊穣を祈ったり、
そんな感じでした。
無償ボランティアで島の為に尽くすことから、
島民からは尊敬され、また畏れられる存在です。
年間、数百以上の神行事を執り行う大変さを引き受ける代わりに、
その神官の生まれのカミンチュー(神人)には、
代々、イラブーガマと呼ばれる漁場が与えられていました。
イラブーは、沖縄の高級食材で、ウミヘビの一種です。
赤マムシのように、滋養強壮の効果があります。
そのイラブーガマ(漁場の岩場)には、
当然ながら、カミンチュー以外立ち入り禁止であり、
島民達は、代々、そのしきたりを守ってきたのでした。
そんな中、ある若い青年が禁忌を破ります。
信仰心の低いその青年は、人目を盗んでイラブーガマに入り、
密漁を繰り返していました。
当然ながら、狭い島なので直ぐにばれて責められますが、
血気盛んで喧嘩自慢のその青年は、悪びれる様子も無く、
知られたことをいいことに、堂々と漁を繰り返すようになりました。
「だ~?バチが当たるんだったら、当ててみ~!?」
(どうだ!?天罰が下るというのならば、当ててみるがいい!)
そう言って開き直っていました。
年寄り達は、
「恐ろしや~恐ろしや~バチがあたるぞ~」
と、その青年をいさめようとしましたが、
無駄でした。
その後、さすがに島民からのひんしゅくを買いまくって、
結婚、出産、年齢を重ねるごとに温厚になっていき、
密漁はやめたものの、ことあるごとに、武勇伝として、
「若い頃は、無茶したさ~!」
と、実際、バチが当たらなかったと、
「たたりとか、そんなのは迷信なんだよ!」
と豪語するほどでした。
やがて子どもが成長し、孫が生まれ、
幸せな人生で終わると思っていたのですが…
たたりというのは、
本当に恐ろしいものです…
その人にとって、最もダメージの大きな形で掛かってくるものなのです…
それは、孫が成長するに従い、島民の間で
ささやかれるようになっていきました…
コメント