沖縄の恐い話③神の島の呪いvol.1

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今回の話は、読む人によっては少し下ネタに感じるかもしれません(注意)

私の母親の生まれ育った島は、沖縄では最も神聖な神の島であり、

パワースポットとしても有名です。

そこで実際に起き、語り継がれる祟り(たたり)に基づく話です。

その島には、神人(カミンチュー)と呼ばれる巫女、神官のような役割の人々がいます。

そのカミンチュー(神人)は、チベットの高僧のように、

生まれ変わりであり、決まった役割を背負ったカミンチューが生まれると、

代々受け継がれてきた神行事を担う為、修行を行います。

仲間由紀恵のトリックで出てきた、

「カミヌーリ」という架空のシャーマンのモデルです。

(あれは宮古島あたりのイメージで描かれていた印象ですが…)

人を呪い殺すとかいうのは、ドラマの作り話だと思います。

私の母の出身島のカミンチュー(神人)は、琉球時代には、

国の安泰を祈ったり、島の男達の海での航海安全祈願や、五穀豊穣を祈ったり、

そんな感じでした。

無償ボランティアで島の為に尽くすことから、

島民からは尊敬され、また畏れられる存在です。

年間、数百以上の神行事を執り行う大変さを引き受ける代わりに、

その神官の生まれのカミンチュー(神人)には、

代々、イラブーガマと呼ばれる漁場が与えられていました。

イラブーは、沖縄の高級食材で、ウミヘビの一種です。

赤マムシのように、滋養強壮の効果があります。

そのイラブーガマ(漁場の岩場)には、

当然ながら、カミンチュー以外立ち入り禁止であり、

島民達は、代々、そのしきたりを守ってきたのでした。

そんな中、ある若い青年が禁忌を破ります。

信仰心の低いその青年は、人目を盗んでイラブーガマに入り、

密漁を繰り返していました。

当然ながら、狭い島なので直ぐにばれて責められますが、

血気盛んで喧嘩自慢のその青年は、悪びれる様子も無く、

知られたことをいいことに、堂々と漁を繰り返すようになりました。

「だ~?バチが当たるんだったら、当ててみ~!?」

(どうだ!?天罰が下るというのならば、当ててみるがいい!)

そう言って開き直っていました。

年寄り達は、

「恐ろしや~恐ろしや~バチがあたるぞ~」

と、その青年をいさめようとしましたが、

無駄でした。

その後、さすがに島民からのひんしゅくを買いまくって、

結婚、出産、年齢を重ねるごとに温厚になっていき、

密漁はやめたものの、ことあるごとに、武勇伝として、

「若い頃は、無茶したさ~!」

と、実際、バチが当たらなかったと、

「たたりとか、そんなのは迷信なんだよ!」

と豪語するほどでした。

やがて子どもが成長し、孫が生まれ、

幸せな人生で終わると思っていたのですが…

たたりというのは、

本当に恐ろしいものです…

その人にとって、最もダメージの大きな形で掛かってくるものなのです…

それは、孫が成長するに従い、島民の間で

ささやかれるようになっていきました…

④最終話につづく

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