優しすぎてイジメの被害者になった生徒
私の生徒で、性格が優しすぎたために、
イジメ被害に遭ってしまった子がいます。
いじめた方も、初めは軽い気持ちから、
次第に集団意識に取り憑かれ、
一人が、
「○○のくせに生意気だ!」
と発言して、
気がつくと、集団でイジメに走ってしまったのでした。
全体的には、深刻になる前に収束に向かいましたが、
いじめられた子の心には、深い傷が残っているのを感じました。
授業での様子を観察していても、
休み時間での、仲の良い友達同士での絡み合いを見ても、
以前より明らかに暗い影を落とした表情でした。
もともと真面目で、部活も体育系で運動神経も良さそうな感じです。
友達関係も、
初めの頃は、彼と同じような、真面目な同級生と遊んでいたのですが、
ある時期から、少しワルに憧れているグループと連むようになり、
そのワル・グループの、破天荒な遊び方に刺激を感じていったのでした。
本人としては、対等な友達だと
認識して貰っているつもりでしたが、
元々のワル・グループからすれば、
新入りのくせに生意気だよな・・・
となって当然でしょう。
そういう経緯でイジメが始まり、
ある大きな事件を切っ掛けに、
彼は、ワル・グループから距離を置いて、
本来、大切にすべき、
元々の真面目な仲間達の元に戻ったのでした。
その事件後、ずっと暗い表情だった彼が、
ある日、私に話しかけてきた言葉は、
「oyanari先生って、優しいですよね・・・」
突然、何の脈絡もなくそう言われ、
「???」
となりました。
どうやら、私があの事件以降、
さりげなく彼を見守っていることに
気付いていたようでした。
すると、その側にいた彼の友達が、
「先生って、中学校の頃からそんなに優しかったんですか?」
と聞いてきます・・・
私の子供時代☆母が唯一褒めた言葉が「優しいから上等・・・」
私の性格は、昔からあまり変わっていません。
私のことをあまり褒めたことが無く、
兄弟の中で、私のことが一番嫌い!
と言い放った母が、昔、唯一褒めてくれた言葉が、
「oyanariは、・・・優しいから上等よ・・・」
でした。
それは、私が中1、初めての中間テストで
かなり悪い成績の席次表を渡したときの言葉です。
一瞬固まり・・・
「oyanariは、・・・優しいから・・・上等よ・・・」
上等は、沖縄の方言か、標準語か分かりませんが、
この場合の意味は、Very Goodよ!みたいな感じです(^◇^;)
360人中、20番以内の上の兄弟達に比べ、
私の席次があまりにも低すぎたため、
思わず言葉に詰まって発した、
せめてものフォローだったと思います。
それ以降、母が私の席次を見ることは無くなりました・・・
友達にも、優しいと良くいわれてきたので、
私自身は、結構キツい性格だと思っているのですが、
やはり友達から見ても優しい性格だったと言えるでしょう。
ストーカー女性にきつい言葉を浴びせかけたつもりが・・・
ストーカーしていた女性に対して、
もう二度と近づいて欲しくない!という思いで、
キツい言葉を放っても、
その夜、郵便受けには
「先生って、やっぱり癒やし系ですね♡
たくさん話せて、気持ちが軽くなりました♡♡」
と手紙が投函されていたくらいなので(;´Д`)
結構、キツい態度で接しているつもりの生徒にも、
「oyanari先生って、○○中学の先生の中で一番優しいってみんな言ってるよ~」
とか、結構、嫌いな子にはハッキリと嫌いな態度を取ったり、
調子に乗っている生徒には、ガツンとキツい事を言う場合もありますが、
それもあとを引かないように、
次に会う日には、いつも通り接するよう心がけているため、
確かにそう感じるだろうな~とは思います。
ブラックジョークは言っている本人以外はみんな嫌な気持ちにしている
私は自分がやられてイヤなことは、
基本的に人にやらないだけなのですが、
そういう当たり前のことが出来ない人間が多いだけなのかもしれないな・・・
そう思います。
皮肉を込めたジョーク(ブラックジョーク)も、
言った本人だけが面白いだけで、
聞いている方も、嫌な気持ちになるし、
言われた方は、
顔で笑っていても、内心、嫌な気持ちになったり、
傷ついている場合もあります。
私は学生時代には、結構皮肉を言うことも多いタイプでしたが、
塾の仕事を始め、純粋な中学生達と接する仕事をする中で、
彼らが学校の先生達の些細な皮肉や、暴言にストレスを感じ、
やる気を無くしたり、自信を失ったり、
ネガティブな感情を植え付けられていることを知り、
決して、生徒に対し、
ネガティブな人格否定のような発言はしまい!
と、心に誓っています。
それでも時々、
「デブだからじゃないか?」(←ヒドイ・・・(゚Д゚)
とか、口走ったりするのですが、
デブはデブと言われて傷つかないという勘違いで、
実際はボディーブローのように傷ついていています(^◇^;)
ある日、突然
「先生、キモい・・・」
と、言われてきたことがあり、心当たりが無く、イラッとした私が、
「え?・・・じゃあ、○○とは先生、話さない!だってキモいんでしょ?」
と返すと、
「違う!ごめん!でも・・・先生・・・ヒドイ・・・」
その表情を見て、私を嫌っているのでは無く、
私の方に何か原因があって、彼を傷つけた結果、
私を慕っていたのに裏切られたような気がして、
それで出た言葉だと悟ったのでした。
そう考えたとき、思い当たった発言がありました。
別のクラスに入っているとき、
理科の植物範囲の『子房→果実』の
子房(しぼう)を、
太っているその生徒の『脂肪』に掛けて
教えたことでした。
野球部で、やんちゃな部類の生徒で、
太っちょの彼に対し、
軽い気持ちでイジっていたのですが、
彼にとって、
体格は気にしている事だったのです(;´Д`)ヒドイ・・・
直ぐに、
「ごめん!先生が悪かった!
先生、時々何も考えないで発言しちゃうからサ・・・
次から、絶対に言わないから・・・
マジで、ごめん!
もし次言ったら、ち○ちんもぎって良いよ!」
と、すかさず下ネタも交えて謝りました。
険悪な雰囲気が、一気に笑いに包まれるのが、
男子の下ネタの威力です(^◇^;)
その予想外のユーモア返しで、ぱあっと笑顔になってくれ、
その後、彼に対して、体格についての
ネガティブ発言をしまい!と心に誓い、
学校だけで無く、
塾の他中の生徒達(彼らは少年野球で顔見知り)
に対しても、
それを笑いのネタにすることも止め、
実際に一度も口にしていません。
今では放課後の部活に顔を出したときには
「キャッチボールの相手して!」
と誘ってきてくれたり、
廊下ですれ違うときも、
たくさんおしゃべりするメンバーのひとりです。
若い頃は自分に自信が無いから素直に謝れない
若い頃は、間違いだと思っても、素直に認められず、
また謝ることも出来ません。
自分が悪いと分かっていても、
決して謝れないのが若いときであり、
自分の存在に自信が持てない時期なのかも知れません。
今は長年の塾の仕事を通して、
多くの子供達と向き合ってきたことで、
私自身成長させられ、
自分に自信があるため、
相手が生徒であっても、
自分が間違っていたと知れば、
心から素直に謝ることが出来ます。
それは、優しさと言うよりも、
心の強さを身につけた結果だと確信しています。
本当の優しさは、強さと自信を伴ったもの
初めの、いじめられっ子との話に戻ります。
「先生、中学校の頃も優しかったんですか?」
「そうだね・・・、昔から友達にも、
家族とか知り合いにも
優しいって言われるから、
優しい方かもね・・・」
「でも、優しかったら、○○みたいにいじめられるさ・・・」
・・・ああそうか・・・それが聞きたかったのか・・・
私は、彼らが何を聞きたかったのか分かりました。
『先生は、誰にでもそんなに優しくて、これまで
いじめられたり、
イヤな思いをしたことは無かったんですか?』
そういう感じのことが聞きたいんだな・・・
そして、『そんなに優しくて、どんな人生を過ごしてきたんですか・・・?』みたいな?
「そうだね・・・、先生は、優しいかもしれないけど、
それは、自分の気持ちを言えないって事とは違って・・・
そういうのは、優しさでは無くて、弱さだと思うよ。
本当の優しさは、自分より弱い人とか、大事な人を守るために、
まず、自分自身が強くなる事が大事だと思う。
だから、○○は、生まれ持った優しさを人のために役立てるために、
まずは自分自身強さを身につけて、
自信を持てるようにしたら良いよ」
そんなふうな話をしたのでした。
その話をしてからは、授業に入る時だけで無く、
休み時間の廊下ですれ違ったときや、
放課後の部活で見かけたときには、
常にテンションの高い、
明るい声かけを心がけ、
現在に至っています。
私の言った、強さを伴った優しさを身につけられるのは、
きっともっと先の話だと思いますが、
彼の現在の明るい表情を見ると、
少しずつ、
自信を身につけてきているなぁと感じているところです。
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