近年、芸能人が「パニック障害」を公表するケースが増えています。この病気は、突然の動悸や息苦しさ、不安感に襲われる精神疾患で、日常生活に大きな影響を与えます。しかし、適切な治療と周囲の理解があれば、克服することは可能です。
本記事では、パニック障害を経験した芸能人と、私が大好きなお笑いコンビ・中川家の剛さんがどのようにこの病気を乗り越えたのか、彼の具体的なエピソードを詳しくお伝えします。
パニック障害とは?
パニック障害は、突然の強い不安や恐怖を感じる「パニック発作」を繰り返す病気です。主な症状として以下のようなものがあります。
- 激しい動悸や息切れ(心臓がバクバクする)
- 発汗・震え(手足が震えたり、異常に汗をかく)
- めまい・吐き気(立っていられないほどのふらつき)
- 強い不安感(「このまま死んでしまうのではないか?」という恐怖)
- 過呼吸(息がうまく吸えず苦しくなる)
発作が繰り返されることで、「また発作が起きるかもしれない」という予期不安に陥り、外出や仕事が困難になるケースも少なくありません。
パニック障害を公表した芸能人
以下の芸能人たちは、自身のパニック障害を公表し、それぞれの方法で克服してきました。
- 中川 剛さん(中川家)
- 堂本剛さん(KinKi Kids)
- 長嶋一茂さん
- IKKOさん
- 武尊さん
- TAKAさん(ONE OK ROCK)
- 草彅剛(元SMAP)
- 星野源さん
- 石井竜也(米米CLUB)
- KEIKO(globe)
- 岩橋玄樹さん(King&Prince)
- 釈由美子さん
- 松島聡さん(Sexy Zone)
中川家・剛さんのパニック障害克服エピソード

発症のきっかけ:突然の異変
中川家の剛さんがパニック障害を発症したのは、20代半ば。ある日、舞台上で突然息苦しさを感じ、動悸が激しくなり、立っていられなくなったといいます。
当初は「体調不良かもしれない」と考えていたものの、同じような発作が何度も繰り返されるようになり、やがて仕事にも支障をきたすようになりました。
症状の悪化と苦悩の日々
発作が続くうちに、剛さんは「また起こるのではないか?」という不安に襲われ、テレビや舞台に立つことが怖くなってしまいました。さらに、電車や人混みなどでも症状が出るようになり、日常生活にも影響が出るほどに。
彼は当時のことを振り返り、「仕事を続けられるかどうか、本気で悩んだ」と語っています。芸人としてのキャリアが順調だった時期に発症したため、余計に焦りやプレッシャーを感じていたそうです。
治療と克服への道のり
剛さんは、専門医の診察を受け、パニック障害と診断されました。 そこから、治療を受けながら克服を目指すことに。
① 休養を取る決断
当時の剛さんは「とにかく休むことが怖かった」と語っています。芸人としての活動を休むことが、「仕事を失うのではないか?」という不安につながったからです。しかし、周囲の勧めもあり、一時的に仕事をセーブしながら治療に専念することを決意しました。
② 専門医の治療
医師の指導のもと、薬物療法とカウンセリングを受けました。特に、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) という抗うつ薬が効果的だったといいます。また、カウンセリングでは「パニック発作が起こっても命に別状はない」と理解することで、少しずつ恐怖心を軽減していったそうです。
③ 生活習慣の改善
剛さんは、食生活の見直しや適度な運動を取り入れることで、症状を和らげていきました。特に、「夜更かしをやめて規則正しい生活を送る」ことが、体調の安定に大きく役立ったと話しています。
④ 相方・礼二の支え
剛さんにとって、弟であり相方である礼二さんの存在が大きな支えになりました。礼二さんは、剛さんの症状を理解し、無理のない範囲で仕事を続けられるように調整してくれたそうです。
また、礼二さんは「お前のペースでいい」と声をかけ続け、剛さんが安心して回復に専念できるようにサポートしていました。このような家族や仲間の支えが、克服への大きな助けになったことは間違いありません。
さんまさんの「パニックマン」いじりに救われた

徹子の部屋で語られた克服エピソード
1993年にデビューし、結成30周年を迎えた中川家が徹子の部屋に出演して語られたエピソード。
黒柳さんが「デビューから5年目に何かつらいことがあったのですか?」と尋ねると、剛さんは「僕がパニック障害という病気になってしまったんです。当時はまだ『パニック障害』という言葉すら知られていなくて」と当時の状況を明かしました。
剛さんはその症状について「突然、不安に襲われて心臓が止まってしまうんじゃないかって思うような状態でした。動悸や息切れも激しくて。初めの頃は、『サボりたいだけでは?』『ただ休みたいんじゃないか?』なんて周りから言われることも多かったですね」と語りました。
その症状は漫才の舞台中にも現れ、剛さんは「途中で舞台を降りることもありました。お客さんの顔を見るだけで心臓がドキドキして立っていられないんです。やる気はあっても、体が全く逆の反応を示してしまうんですよね。動悸や発汗、さらには震えも止まらなくて…」と振り返ります。
そんな中、周囲が彼を気遣う一方で、唯一剛さんを“イジった”のが明石家さんまさんでした。剛さんは「さんまさんは僕に『パニックマン』とあだ名をつけて、徹底的にいじり倒してくれたんです。最初はその荒療治に驚きましたけど、それがすごく印象深くて。振り返ると、あの頃から体調が徐々に良くなってきましたね。
本当に今思えば、さんまさんのおかげだったなと思います」と深い感謝の意を表しました。
このような荒療治は、私がパニック障害を克服した経験と重なります(^0^;)

克服後の現在
現在の剛さんは、パニック障害を完全に克服したわけではありませんが、発作をコントロールしながら仕事を続けられる状態になっています。
テレビ番組や舞台でも以前と変わらない姿を見せており、「発作が起きても大丈夫」という心の余裕を持てるようになったことが大きな変化だと語っています。
また、剛さんは自身の経験を公表することで、同じ症状に悩む人々の励みになればと考えており、パニック障害への理解を広める活動も行っています。
まとめ
中川家・剛さんの経験からもわかるように、
✔ 休養を取る勇気
✔ 専門医の治療を受けること(慎重に選ぶ)
✔ 家族や仲間の支えを得ること
✔ 生活習慣を整えること
これらが回復のカギとなります。
私の経験と重ねると、特に大切なのは休養を取る勇気&家族や仲間の支えを得ること(周囲の理解)です。
パニック障害になる人の多くが、責任感が強い、頑張りすぎる、自分の弱みを見せられない…
そういうタイプが多く、ひとりで抱え込んでしまいがちです。
でもそんな頑張っている姿を周りは分かっています。
辛いときには「辛い…」と、それを周りに告白する勇気を持って自分をもっと大切にして下さい。
以上、今回は私がパニック障害克服期に支えになった中川家・剛さんの克服エピソードを紹介してみました。素晴らしい兄弟愛、先輩芸人、仲間たちに支えられてきたのは、剛さんの人徳だったと言えますね。
パニック障害克服のために必要なことは、頑張りすぎた自分自身の心と向き合うことと同時に、
自分を支えてくれている周囲の人々の存在を再認識し、感謝の気持ちを新たにすることです。
何でもひとりで抱え込まず、
「人はひとりでは生きていけない」
苦しいときには支え合う、
そして自分が元気になって余裕が出来たとき、苦しんでいる人、困っている人が居たら手を差し伸べて誰かから受けた恩を返していく。
そういう支え合いの精神こそが良い人間関係、社会を作っていくのだと確信しています。
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