私の塾の地域には、主に2つの少年野球(学童野球)チームがあります。
1つは、監督が厳しく、優勝常連のチーム(青チーム)
もうひとつは、ゆる~く、父母会の共同経営のようなチームです。(Redチーム)
元は1つのチームでしたが、20年ほど前に、親同士が喧嘩になって分裂しました。
ちょうどその時期の生徒達が塾生でした。
小6まで仲良くやっていたのに、親同士の権力争いに巻き込まれ、
無理矢理引き裂かれ、中学で1つのチームになっても、
親同士の不仲に巻き込まれ、
(中3で指導力とカリスマ性のある監督が就任するまでずっと)
1つのチームが分断されていました。
それから20年近く経った現在でも、この2つのチームのキャラクターは変わりません。
ワンマンの厳しい監督によって、何度も優勝を繰り返すチーム出身の子ども達の親は、
指導者を信じて、任せ、子ども達の自主性を重視します。
何をするにも、自分で決めて、自分で責任取りなさい。
そうやって子ども達に選択させ、失敗させながら成長を見守る親が多いです。
一方の、父母会が共同経営のチームは、監督や指導者は父母会の意見を尊重し、
限りなく子ども達の行動に介入します。
そして、子ども達が失敗すると、誰かのせいにして文句を言います。
私の塾は、厳しい監督の運営するチーム出身の子が多い塾でしたが、
今年に関しては、残念?な事に、親の共同経営のチーム出身の子が多く、
とても疲れます。
1年からずっと在籍してくれている主力のイケメン君だけが青チーム出身です。
彼の親は、息子の成績がなかなか上がらず、
一度は塾を変えようかと不信感を持った時期もありましたが、
子どもの成長を信じて、1年間がまんして私に預けてくれました。
その甲斐もあり、現在は点数はバク上がりです。
顔も良く、性格も良く、スポーツ万能、そして勉強も出来る!
誰もが理想とする4拍子そろったその子は、他中の野球部からも人気者です。
少し天然っぽい部分もあり、素直で頑張り屋さんなので、
私の長い講師生活の中でも、トップ3に入る、
勉強を教えていて、とても気持ちの良い子です。
そのお母さんも、
裏表の無い、思ったことは自然に嫌み無く口に出してくれ、
率直に教育に対しての考え方を共感出来ます。
中学生なので、サボりたい、ちょっとズルしたい・・・
そういうところがあるのは当然ですが、
小学校で、かなり厳しい監督の元で鍛えられたこともあり、
「どうするの?やるの?やらないの?」
そう聞くだけで、
「やる!」
性格のイメージは、この「王様ランキング」のボッジ様そのもの(^0^;)
そして自分でやると決めたからには、決してやる気の無い態度を見せず、
一生懸命、眠そうな目をしながらも頑張ってくれます。
あまりに健気に頑張る様子に、
「少し、眠い?」
と聞くと、目をぱっちりと開けて、
「大丈夫!」

と、笑顔を見せます。
それでいて、少しイタズラ好きな男の子でもあるので、
友達みんなに好かれるのも分かるな~といった感じです。
私が接していると、
「母親、厳しいな~σ(^◇^;)」
と思うところもあるのですが、
とても美人(80年代のアイドルのような(^0^;)で、
口調も優しく、きっと良好な親子関係で、
本人の自覚を成長させるような関わりをずっと続けてきたのだと分かります。
一方、Redチーム出身の子ども達は、
小学校から親が限りなく介入して運営するチームだった為か、
自覚はゼロです。
私は生徒達の自主性を尊重する指導スタイルなので、
テスト前の土日特訓などは、
本人達に来れる時間を決めさせます。
これまでの教え子達は、青チーム出身が多かったので、自主的に来ましたが、
Redチーム出身の子ども達は、約束しても、平気でサボります。
仕舞いには、親から文句の電話があるくらいです(;´Д`)
「本人達の自覚が足りないのは、先生が時間を決めないからです!」
ふぅ・・・
Redチーム出身の子ども達は、親同士でLineで連絡を取り合い、
みんなで今日は塾をお休みしよう!
そう言って休むのでした。
一方で、青チーム出身の子は、1人であっても来ます。
他は関係ありません。
来ると約束したら、どんなに疲れていても来て、一生懸命がんばります。
お母さんも、本人が塾の前に遊びに行って疲れ切ってグッタリしていても、
「どうするの?行くの?行かないの?」(静かだが諭すような口調で・・・)
そう聞くだけです。(約束したんだよね?・・・と)
Redチーム出身の子達は、親にそう聞かれれば、
「え~っと・・・、どうしようかな・・・」モジモジ・・・
と、サボりたそうな態度を見せ、そして休むことを親に連絡させます。
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私の塾の場合、募集は基本的に紹介のみで、親が面倒くさい場合は断るスタンスでしたが、
数年置きに、こういう価値観の違う親が来ます。
子どもの自覚が無いのは、赤ちゃんの頃から、親がどういうしつけをしてきたのか、
自覚、責任感をどう育ててきたのか、
また、親の、自己責任の価値観がどうなのかによります。
子どもの自覚の無い選択、行動を、
関わって2ヶ月ちょっとの塾の指導者のせいにするとは・・・
呆れて、心かき乱されます。

そんなときには、大人になった元教え子達に愚痴を聞いて貰うのですが(^_^;
卒業生達は、殆どが青チーム出身で、小学校時代から、自主性を育てられた子達なので、
大人になった今でも、考え方がしっかりしている子達ばかりです。
「辞めさせた方が良い!そういう親とは先生は合わんよ!他の塾行けって言え‼」
怒って、そう言いますσ(^◇^;)
彼らからすれば、私がどれだけ魂を削って教え子達と関わっているかを知っているため、
それが分からないようなバカは、適当な塾に行け!
そう怒ってくれるのです・・・(;´Д`)
(彼らとは、中1から、もう15年以上の付き合いなので・・・私の心中をすべて分かってくれます)
ただ、私は構いませんが、
せっかく塾の仲間が増えたと喜んでいる中1から続けている
青チーム出身の子の気持ちを考えると、

私が我慢してあげる必要があるな・・・
そう思います。

これから
わがままな親、自分の主張が正しいと勘違いする親がどんどん増えていく事を考えると、
教育現場はますます荒れていくのを予感します。
今の40前後の世代でコレなので・・・
ゆとり世代が親になったら、もっと増えそうです・・・(;´Д`)
子育てって、どうしても親としては何でもかんでも、必要以上に介入したくなる気持ちは分かります。
それだけ可愛いのだと思います。
しかし、変なところで甘やかして、大切な部分は他人に責任転嫁するのでは、ダメ人間が増えるだけです。
そうやって育てられた子どもが、また親になって同じ事を繰り返すのかな・・・
そう思うとやるせなくなりますが、
青チーム出身の生徒のように、
一人でも塾に来て、真っ直ぐな眼差しで私を信じてやる気で答えてくれる生徒のためにも、
一人でも多く、正しい心を持った子を育てたいと心を新たにするのでした。
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