長年塾をやっていると、やはり人間ですから、
相性の合わない生徒が何年かに1人や2人入ってくるものです。
私の塾の場合、生徒達に鍵を預けて自由に出入りさせるくらいですから、
入れる前に、それなりの身辺調査をするのですが、
それが十分に働かないのが、卒業生の弟のパターンです。
兄弟、皆性格が違います。
3人兄弟が居て、上の2人が良かったからといって、3人目もOKという訳にはいきません。
今回の内容は、私の手に負えない生徒についての話なので、教育系にあまり関心の無い方には
すこし退屈な話かもしれません(^0^;)
やる気が無い・多少の性格の悪さはなんとか成る
それでも、多少の性格の悪さや、やる気の無さに対しては、
そういう子だからこそ、しっかりと向き合い、
『正しい心を育む教育』
を実践しようとするのですが、
それが全く通用しない相手が・・・
何らかの特性持ちの生徒です。
IQが高いタイプのADHD
例えば、私も軽い?ADHDタイプだったと思うのですが、
その自分の体験から、どう接していけば良いのか、
多動傾向があり、集中力が続かない部分を克服するには、どうすれば良いのかが分かるため、
これまでも多くの多動傾向のある生徒達を育ててきました。
私の場合、自分で言うのもおかしな話ですがσ(^◇^;)
大学のゼミの(助)教授が、脳心理学系が専門で、
ゼミ生にIQテストをするというふざけた先生でした。
そのときの数値は、一般的な大学生レベルよりはIQ高めでした。
まあ、IQテスト自体、かなり怪しいものですが(;´Д`)
あとIQと収入は比例しません!私が証明しています(・∀・)b(゚◇゚)ガーン
ADHDの特性を持ちながらも、
興味を持った分野や、瞬間的な集中力はずば抜けた方だったと思います。
(レベルの低い友達の中ではσ(^◇^;))
なので、私と同じように、
IQ的には問題ないが、多動傾向のある生徒を育てるのは得意です。
学校では問題児扱いされていた生徒達を、何人も成績を劇的に上げ、
上位の高校や、大学へと合格させてきました。
ただ、それは、彼らが本来持っている能力を、正しい方向に向けたからです。
ダイヤの原石は磨けばダイヤですが、
石っころは、どんなに磨いても石っころなのです!
(゚◇゚)ガチョーン・・・
例えば、LD持ちの生徒が来た場合、私はその子の良さが何なのかを観察し、
向き合いの中で、その子が生きていく上で困らないよう、
長所を伸ばすような指導を心がけます。
『出来ない生徒』は出来ないことを受け入れる
勉強が出来ない人は、どんなに工夫したとしても、残念ながら出来ないのです。
どうしても、遺伝的要素には打ち勝つことは出来ません。
例えば、中2の授業で、私が板書で連立方程式の解き方を教えていると、
ただぼ~っと眺めていた中1が、一瞬で理解しました。
一方で、どんなに教えても、何度練習しても出来ない子は出来ず、
時間をかけても、結局テスト本番では頭真っ白でダメでした。
そういう生来の能力が違う二人が、同じ時間勉強したとすると、
どれほどの差が出るでしょうか?
努力すれば・・・!
教え方を工夫すれば・・・!
というのは幻想です。(゚◇゚)ガーン
そこを誤解している親が多くて困ります。
親は、自分が出来なかったことを子供に要求してはダメです。
子供が出来ないのは、自分の遺伝だと思って諦めるべきです。
ただし、諦めると言っても、
子供の教育を放棄し、可能性を否定するのとは違います。
出来ないことを受け入れ、なぜ出来ないのかを考え、理解し、
単に努力が足りないだけなのか、その子の特性の問題なのか、
分かった上で向き合う必要があると言うことです。
子供は適度に期待されると、頑張ろうとします。
しかし、頑張ったにも関わらず、結果が伴わなかった時、とても落ち込み、
やる気を無くします。
それを、馬鹿な親は、追い打ちをかけるように叱りつけ、
さらにやる気を失わせるのです。
成績が伴わなかった時、親は結果だけに目が行き、その努力の過程に目が行きません。
教育の原点は、正しい心を育むことです。学力や成績は二の次です
小学校ずっと遊んでいた子に急に席次を求めるな!
小学校までずっと遊んでいた子が、中学校になって勉強を始めると
親は、席次を気にし始めます。
他の子達は、ベースが出来上がっていて、すこしの努力で簡単に席次が上がるのですが、
小学校の基礎基本が出来ていない子は、結果が出るまでに時間が必要です。
その場合、席次は高校入試の内申書に書かれることは無いので、
私の塾では、提出物や、課題、授業態度などをしっかりと指導し、
最低限の内申点をキープさせたりします。
そうやっていく中で、ベースとなる基礎学力を身につけさせ、
勝負をかけるタイミングで席次アップを目標にすれば良いのです。
過去、私の教え子達の親は、そういう我慢を乗り越え、
時に塾(指導者)に対して不信感を抱きつつも、信じて預けてくれました。
その結果、進学校に進んだ子、比較的下位の高校に進んだ生徒達も、しっかりと目標を持ち、
ほとんどが大学に進学したり、しっかりと将来を見据えた生き方をしてくれています。
私の塾は、少人数制のため、すべての生徒が、現在何をやっているかほぼ知っていて、
必要があれば連絡を取ったり、今回の高3生のように、節目で顔を出してくれます。
社会人になった後も、ずっと繋がりがあるのは、そういう信頼関係を大切にしてきたからです。
苦手な生徒★IQの低いADHDタイプ
そんな塾講師歴25年の経験を持ってしても、どうしようも無いのが、
IQの低いタイプのADHDです。
どうしようもありません・・・。
どんなに叱っても、IQ的に68~73位だと想定出来る子なので、
注意しても、全く聞きません。
理解力が無く、すぐに忘れます。
もう何度叱っても、同じ過ちを繰り返すため、とてもストレスが溜まります。
私は出来るだけ生徒を叱りたくないので、多少の生活面のミスは大目に見ます。
それは、勉強のミスのことではありません。
例えば、冷蔵庫のドアを半閉め状態にして、アイスクリームを溶かしてしまったり、
勝手にギターのチューニングのネジを回して、弦を切ったのを黙っていたり、
iPhoneの充電ケーブルを踏んで根元から折ったり、
アイスを食べながら教室を歩き回り、床をベトベトにして、それを踏んでさらに広げたり・・・
高価な電気製品を勝手に触って壊したり、
iPhoneのホームボタンを壊したり・・・
物理的な破損などのこれらの行為を、何度注意しても直せません。

それに加え、現在、家庭環境の難しい児童養護施設の中3生を預かっているのですが、
彼らに対し、決して聞いてはならない家族の話を平気で聞いたりします。
また、彼らは内申点1がたくさんあり、
それを承知の上で学校の先生にお願いされ、
預かっているのですが、
そういう彼らの居るところで、
「先生、内申点1があったら高校受からないんですよね?!」
と、平気で口にし、塾全体の雰囲気を悪くします。
また、多動が酷く、10秒じっとしていることが出来ません。
これから5分間、集中して、しゃべるの禁止!
と言って、30秒でしゃべり始めます。
何がキツいかというと、この子には悪気が無いことです。
単純に知能指数が低いだけなのです。
しかし、この子は、教え子の弟で、
同じようにADHDの要素の強かった兄が、進学校に合格し、
大学に進学しているため、
母親は、同じようにそれを望んでいます。
しかし、兄の方は、IQ高めのADHDタイプでした。
落ち着かない性格は、大学生になった今でも変わりませんが、
当時のノートの書き方から、字のきれいさも、
初めに見た時から頭の良さが分かりました。
一方、弟は、字は汚く、本人以外読めません。
人の話しを聞くことも出来ないため、5秒前に説明したことも全く頭に入っていません。
そして、ヘラヘラ笑っています。
あまりに酷いため、過去、手を焼いた、相性の悪かった卒業生達の、
どのパターンなのか考えますが・・・
手の掛かった歴代のメンバーをすべて足しても比較出来ないレベルです。
それはなぜだろう・・・
そう考えると分かってきました・・・
単純に頭が悪いから・・・(;´Д`)
特別支援で対象としている知的の生徒達の特性
私は現在、昼間は特別支援指導員として中学校に勤務しており、
まさに、日々、支援対象生徒の、特性の検査結果を元に、
どのように支援をしていくべきか、話し合います。
その中には、当然、IQテストの数値も参考にします。
親が認めない場合、本来、特別支援学級(知的)に入るべきIQの子も、
通常学級に通っているケースは多く見られますし、
逆に、IQテストの結果を基にクラスを分ければ、
職員が足りなくなるほど、
隠れ知的学級クラスの子が多く存在しているのが現状です。
多くの生徒達が、日常生活はまともに送れる理解力はあり、
学習面でだけ遅れがあるレベルですが、
知的学級の子達は違います。
大丈夫だと思って信用して草刈りの刃物を持たせると、無意識に人を傷つけてしまったりします。
悪気が無く、純粋な心を持っているのですが、無意識に、突拍子も無いことをしてしまいます。
はさみを持つと、『これで友達の手を切ったらどうなるかな~』と頭に浮かべたと同時に、
隣の友達の手をはさみで切って怪我をさせたりするのです。
首で無くて良かったと思うしかありません・・・
それに対して叱っても、なぜそんなことをしてしまったのか、
悪気も無く、自分のやってしまったことが悪いことなのは分かるのですが、
やった理由は無いのです。
頭に浮かんだことを、やってしまうのが、特性なのです。
治るADHDタイプの人はIQが高いタイプ
芸能人でADHDといって真っ先に名前が挙がるのが、明石家さんまさんでしょう。
典型的なADHDタイプですが、同時に、IQの高さも感じさせます。
頭の回転が速く、思いついたことを何も考えずにひたすらしゃべり続けますが、
その欠点を、IQの高さである程度コントロールし、
言って良いコト、悪いコトを瞬時に判断しているのが凄いです。
会社の社長など、ワンマン経営で会社を大きくした人もADHDタイプが多いと言いますが、
IQ高いタイプのADHDです。
私は、これまでADHDタイプの子の指導が得意だと思っていましたし、
その実績からも、そう思われ、
そういう生徒をよく頼まれてきたのですが、
今回のこの生徒に関しては、正直お手上げです・・・
母親も、多動タイプのお母さんなので、
お金出して預けてるのに結果が出てない!
と怒鳴り込んできそうなタイプです。
結果が求められる塾の宿命です。
「この子は勉強させても無理です」
「この子は、知的レベルなので高くを求めるのは辞めましょう!」
「この子の特性を理解して、受け入れて、何が出来るかを考えましょう」
と本当のことを言いたいですが・・・
難しい・・・(;´Д`)
出来れば、自然消滅で辞めていって貰いたい・・・
一応、この子のお兄ちゃんにはその話はしています。
この子に関しては、続報があるかもしれません・・・
そういう子と向き合う時にイライラ対策で欠かせないのが
セントジョーンズワートです・・・
もうこの子のためだけに飲んでるかも(;´Д`)

明るい気分になります(・∀・)
コメント